のぶ兄の今夜も夜更かし

Vol.1日奈久ゴリ子のワクドキ?ナッセTV

感動コーディネーター「のぶ兄」のTVでは言えない話

第一話 ブライダル業界の即決戦略ってなに?

ブライダル業界は即決企画で大忙し

即決って言葉を知っていますか?ブライダル業界で働いている方がよく使うアレです。最近はフリマサイトなどでも使われるようになったので、聞いたことがある方も多いかも知れませんね。意味としては読んで字のごとく、即座に決断すること、その場で決めることを指します。
今、ブライダル業界は即決市場だと言われています。ホテルやハウスW、専門式場など、新しい会場が次々とオープンする中、供給過剰でお客様の争奪戦が繰り広げられています。各会場はフェアに来館されたお客様を即決しようと必死。その日に決めることが出来ず、他の会場に行かれると、そこで成約される可能性が高いからです。如何にお客様を囲い込み、その日に決めさせるかが勝負!各会場は様々な工夫を凝らしているのですが、ちょっと度が過ぎてきた感も・・・。

特典目白押しのブライダルフェアの罠

例えば、「初めてフェア参加のカップルには特典付けます」なんて謳い文句、某結婚情報誌でよく目に止まるキャッチですが、これも他の会場より早く来館させて、自社で囲い込むための作戦。「朝食付き、朝一フェア」などもありますね。多くのお客様は午前午後に一件ずつフェア回りの予定を立てますから、午前中の一件目を獲得する為の戦略です。
「来館特典で100万円OFF」などもよく聞きます。“特典の有効期限が今日までなので”、“今日は特別に上司に許可を貰ったので”、“他のお客様には内緒なのですが”等々、今日決めた方が得だってことをアピールする仕掛けをアレコレ用意しているのは当たり前。逆に言えば、100万円値引きする前提で定価をつけ、値引きを小出しにしながら、最後に即決できるシナリオをちゃんと準備しているのです。

お祭り気分が盛り上がり申込をしてみたものの・・・

冷静に考えたら分かることですが、まぁ大抵のお客様は初めてのことですし、結婚が決まって幸せ気分一杯。更に会場見学ってことでテンションもマックスです。それに日常品と違って結婚式の費用相場も分かり辛い。夢も膨らんで、つい進められるままにノリで契約を交わす方も多い。会場側もそうなる様に盛上げ演出には余念がありませんし、会場によっては契約貰うまで帰すなって所もある。ほぼ軟禁状態で契約を迫られたなんて話もあるくらいですから。
盛り上がって契約したものの、不安になりキャンセルしようとすると高額なキャンセル料を請求されたなんてこともよく聞きます。だからこの業界、訴訟を抱えている企業が多いのも事実。華やかなブライダル業界の裏側は結構ドロドロの裏事業が見え隠れしています。

お客様にとって即決が最善の選択なのか?

実際、ウチのホテルでもこの即決市場を生き抜くために、初回フェア来館の誘致とか、来館特典の付与とか、即決出来るようあの手この手でシナリオを考えていました。
でもある時ふと疑問が湧いたのです。300万も400万も掛かることなのに、こんな風に決めてしまっていいのかなと、これって誰の為だろうと・・・。
お客様目線で言えば、即決する理由はただ一つ、この会場のこの日に絶対結婚式をしたいって事のみ。何故なら、特典とかって既に予算に織り込まれているので、後になってもほぼ値引きされる可能性が高い。そうなると希望日を押さえること以外、リスクを冒して直ぐに決める価値も必要もないのです。でも会場は即決したがる。それはお客様ではなく自分達に都合がいいから。それに、場所と日取りが結婚式を決める最大のポイントってことも違う気がします。結婚式の本当の価値ってそういうことだけではないですよね。

形の無いモノだからこそ納得して決めてもらう

結婚式の本来の価値や目的って、自分達の今までの人生を振り返り、お世話になった方々をお招きして感謝を伝える。そしてこれからもよろしくお願いしますって、新たな家族のお披露目をすること。
だから、“どこでいつするか”も大切だけど、“何の為にどんな結婚式にするか”の方がもっと大切だと思うのです。そういう本質的な価値が見落とされているから、結婚式がタダの大きな宴会になってしまい、魅力がなくなりやらない方が増えてきたのかもしれません。
会場が素敵、チャペルがかっこいい、このガーデンで写真撮りしたいってことも勿論大事ですよ、一生に一度のことですから。でも、ちゃんと全体を吟味して慎重に決めるべきことだし、会場側はお客様からそういう選択肢を奪ってはいけないはずです。 結婚式には形が無い。お料理もサービスも演出だって当日にならないと確認できないモノばかり。だからお客様は、プランナーの言葉をよりどころに判断するしかない。尚更、売る側の立場ではなく、買う側の立場になって正直にやらないダメだと気付いたのです。

次回は見積もりのトリックについてお教えします

経緯はどうあれ、お客様からしたらお得な方が良いのは当然。如何に特典をゲットするか、値引きして貰えるかは重要ですよね。上手くフェア特典を利用するのは賢いと思います。でもそれが必ずしも得したことにならない場合があるのが落とし穴です。
大切なのは初期見積もりをちゃんとチェックすること。でも、この初期見積もりって言葉にもブライダル業界独特の危険な匂いがしますね。次回はそんな話をしてみたいと思います。